2018年8月19日 21時46分34秒
テーマ:賃貸
会社員をしていると自分の希望とは関係なく転勤を命じられる事があります。多くの場合、転勤がある事を了承して入社している訳ですし、会社にも都合がありますからこれは仕方の無い事でしょう。
しかし、新しい勤務場所が現住所から近ければ良いのですが、非常に遠く単身赴任が避けられないというようなケースも多いでしょう。場合によっては海外勤務を命じられる事もありますよね。
こんな時一番問題になるのが「住まい」です。転勤先の住居は会社が何とかしてくれるかも知れませんが、今住んでいる家が持ち家だったらどうすればいいのでしょうか?
家族が残って住む場合もあるでしょうが、どうしても単身赴任が嫌だという方もいると思います。転勤で自宅が一時的に空き家になってしまう・・・
転勤でなくとも、相続などで空き家が手に入る事は近年では珍しい事ではありません。しかし、大きなお金が動く事だし中々空き家を活用出来ないでいる・・・
そんな時はリロケーションとして空き家を貸してみるのはいかがでしょうか?
厚生労働省の調査によると従業員数が300人以上999人以下の企業では79%が、従業員1000人以上の企業では実に89.8%が「転居を必要とする転勤がある」と回答しています。(この調査は2004年のものと少し古くはありますが、転勤を必要とする企業の数は増加傾向にあり現在は更に多くの企業で転勤がある、と言えそうです。)
転居を伴う転勤となった場合、一番のネックは持ち家でしょう。それまで住んでいた家をどうするかの決断を迫られる事になります。
夫が単身赴任し、家族はそのまま家に住み続ける場合は問題は少ないように思えますが、家族が夫に付いていく場合もあるはずです。その場合、空き家が一つ出来てしまう事になります。
大黒柱の転勤だけが空き家が発生する原因ではありません。
実家には親だけが住んでいたが、施設に入所する事になった。両親が亡くなってしまった。という様な理由から空き家を相続し、その活用が上手く出来ず悩んでいる人は相当に多いのです。
空き家の活用方法として一般的なのが人に貸すことですが、一度貸してしまうと、もし自分が住みたくなったりした時に返してもらえるかどうかが分からないというデメリットがあります。現行の法律では「借りる側の権利」がしっかり守られており、一度貸してしまうと家主の都合だけで入居者に簡単に出て行ってもらうという事は出来ないのです。
そこで近年、注目されているのがリロケーションです。
リロケーションは通常の賃貸契約と違い、更新がなく短期限定で住居を貸す契約です。(目安としては3年から5年程度の期間が多い。)契約期間が過ぎれば家を返してもらえますので、転勤の期間が終わり戻ってきた時に家を返してもらえないという事もないのです。相続した空き家をリロケーションした場合でも契約期間が過ぎれば家を返してもらえる為、「思い出の空き家をとられてしまう」というような危険がないのです。
リロケーションのメリットとして、まず挙げられるのが前述したように、期間限定なので空き家が必ず手元に戻ってくる事です。
「今は一時的に使っていない住居だから人に貸して有効利用したいけど、ずっと貸すつもりはない。」そんなニーズにマッチしているのがリロケーションのメリットです。
また、短期と言っても、定期的に安定した家賃収入が見込めるのは大きなメリットと言えましょう。何も活用しなければ固定資産税を支払うだけの存在だった空き家がキャッシュを生み出してくれるというのは素晴らしいメリットですよね。
人が住む事で掃除や草刈りなどの管理も入居者に任せる事が出来るのもポイントです。空き家は誰も住んでいなければ誰かが定期的に行ってメンテナンスをしなければなりませんが、人が住んでいればその手間が省けます。
リロケーションのデメリットとしては、短期限定の賃貸契約なので得られる家賃収入が相場より低くなりがちだという事です。本来の家賃より安く借りられるのは入居者にとってはありがたいでしょうが、家主としては痛いですよね。
また、期間を決めての賃貸契約となりますので、その期間が終わるまでは状況が変っても住居を返して貰う事が出来ません。例えば、転勤が5年の予定だったから5年のリロケーションで貸していたけれども、転勤期間が3年に短縮されてしまったという場合でも、契約期間が終わるまでは家を返して貰えません。
また空き家が傷んでいる場合は当然ですが貸し出す前にリフォームをしなければならないというのも、家主にとっては負担となります。水回りを中心にお金をかけて修繕しなければ、人には貸せませんからね。
空き家の活用方法として「人に貸す」というのは一般的ですが、期間限定で貸すというリロケーションについて説明してきました。
相続で得た空き家をリロケーションしてもいいですし、転勤などで一時的に空き家になってしまう住居をリロケーションしてもいいでしょう。一般の賃貸契約よりもライトでやりやすいのがポイントです。
空き家の一つの活用方法として、検討してみてはいかがでしょうか?